sakana interview
       sakana  Campolano  発売記念インタビュー
 
ー影響を受ける唯一の人ー
 
lete:西脇さんが、曲づくりにおいて影響を受けたアーティストはいらっしゃいますか?
西脇:ええと、自分にとってそんな人っているのかな?多分いるんですけど、僕は絵もそうなのですが、誰に影響を受けたかと聞かれると答えられないんですよね。多分無意識に影響受けているとは思うんだけど、意識的にこの人みたいにやりたいと思った事がないんです。
lete:それは凄いですね。
西脇:いや、思っても出来ないですから。でも影響を受けているとしたら、やはりこの人です。(ポコペンさんの方を向いて)
Pocopen:ええーーっ?(驚いて叫ぶ)私ですか!わったし?(笑)
lete:そこがsakanaのファンの方がお二人の事を尊敬している所だと思いますけね。
西脇:いや、この人は僕の事、全然眼中にないと思うんですけど‥
(一同爆笑)
 
 
ー力の抜けた自分らしい歌い方が、今やっとできるようになったー
 
lete:次にポコペンさんの
Pocopen:ドキッ(笑)
lete:(笑)歌い方なんですけど、ポコペンさんの歌い方は、一度聴いたら耳に残って忘れられない独特な歌い方だと思いますが、自分の歌い方を出す為に意識してやられてきたことは何かありますか?声の出し方も歌い方も、唯一無二なシンガーというのかピッタリな方だと思うのですが、
Pocopen:自分が努力した事は、人前で声が出せるように自己流に訓練をしたことです。個性は後からついてきました。若い頃は、いろんなヴォーカリストに憧れました。アンニュイな人から元気いっぱいの人まで。時間がかかりましたが、今やっと普通に力の抜けた自分らしい歌い方ができるようになった感じがします。
lete: ポコペンさんを中性的だなと感じていたのですが、それはポコペンさんが元々お好きだったロックが、男性シンガーだったというのが大きいのでしょうか。女性が歌詞を書くと語尾が「◯◯だわ」とか「◯◯の」「◯◯ね」が多いと思うのですが、ポコペンさんの歌詞は「◯◯さ」となっていて。「さ」で終わっているので女性女性していない、中性的な歌詞に感じました。歌い方もそうですが。
Pocopen:確かにね。いい歳をして、子どもなんですよ(笑)。
lete:(笑)いえいえそれが個性ですから!でしたらもしかしたらそのうち「なのよ」も歳を重ねて行くうちに
Pocopen:60歳くらいになったらね。密かな目標にしてみようかな。
lete:楽しみだなぁ。
 
 
「Campolano」収録曲曲順解説
ー1.  Angelique / 最後に終えた苦労した曲ー
 
lete:「Campolano」の収録曲順に、それそれの曲や歌詞ができた経緯や、制作時に印象に残ったお話をお伺いしたのですが、まず、一曲目の「Angelique」から
Pocopen:まず録音する少し前にサビと、それに伴って歌詞も変えて録音しました。
lete:ドラムが楠均さんで、ベースが大野由美子さんですね。
Pocopen:説明が大味になってしまって‥。ざっくり録音して、その後編集しました。自分のギターと西脇君の逆回転のギターは、話し合った末録り直しました。
lete:ここ(間奏の部分)逆回転だったのですか。
Pocopen:はい。この曲は苦労したかな
西脇:うん。この曲は出来あがったのが、一番最後だものね。
Pocopen:緩さを生かしつつもうちょっと風通しよくしたいと思いました。楠さんと大野さんが素晴しかったので、不自然な作業だと言われようが、必然からも素晴らしいものは生まれることを信じて、この録音物を最善の形に持っていきたかったのです。伴奏ギターはある部分のピッチが良くないのですが、それをカバーするような弾き方をする技術は自分にはありませんでした。
lete:大変だったのですね。曲の元々のイメージはどのようなものだったのですか?
Pocopen:ちょっと明るい曲調だけど哀愁もあり、地味だけど小粋な演奏を思い浮かべていましたが、上手く伝えることが出来ず、皆意味が分らなかったかもしれません。
西脇:うん、最初はね。段々わかってきたけど。
lete:アルバムの一曲目に、歌から始まってるというのが凄く印象的だったのですけど、歌詞のでたしの「一緒に植えたのさ」に私はびっくりして、何を植えたのって?強烈に印象に残ったのですが
Pocopen:そういえばそうですね。変な詞ですね。
lete:いや、それがいいんじゃないですか!インパクトがあったし心に残りました。個性的ですしね。
 
 
ー2. Lupinas / 快活で穏やかな感じの曲
 
lete:二曲目の「Lupinus」ですが、桜井さんとのアルバム「far home」に収録されていて、ライナーを見ましたら、「とてもウキウキする曲で僕は素直にこの曲を表現する演奏をするのが難しい」とのような桜井さんのコメントをおっしゃっていましたね。
西脇:そうですね。
lete:私はこの曲が好きで、特に間奏の所が、優しいというか楽しい気持ちにさせてくれるので素敵だなと思っています。歌詞も短いですが曲とピッタリあっていますよね。この曲はどのような感じでつくられたのですか?
西脇:まさしく今仰った通りかもしれないですね。明るくて元気もあるんだけど、でも穏やかな感じとうか。別に詞に注文はしていなくて、基本的にいつもおまかせなのですけど、僕が曲に対して抱いていたイメージにピッタリくる感じで気に入っています。ポコペンさんに詩をつけてもらって「Lupinus」というタイトルになりました。
lete:曲はどちらで作られたのですか?
西脇:場所?この曲は外でしたね。なんとなく思い浮かんだのは表を歩いている時に。そして家に帰って来て忘れないうちにギターで音を確認しておきました。
lete:そうやって外で身体を動かしている時に浮かんでくる事もあるんですね。
西脇:うん、でも僕は少ない方かもしれないですね。ポコペンさんは僕よりそう云う事が多いんじゃないかな。 
 
 
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