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sakana interview
       sakana  Campolano  発売記念インタビュー
 
ー8. Zinnia /
ラテン音楽を意識した曲調
 
lete:八曲目の「Zinnia」ですが、抑揚とリズムを押さえたフラメンコギターっぽいの曲だなと思いました。フラメンコギターの激しさはないですけれど、西脇さんらしく抑揚を抑えた曲とういうか、
西脇:うん、ラテン音楽にあるような曲調を少し意識はしていたかも知れない。でも本場の人達のやっている事はわからないから、自分なりにという感じで。
lete:これも「far home」の時とアレンジは変わっているんですか。
西脇:フレーズを幾つか変えたのと、リズムボックスを入れたので、ギターの弾き方はより簡素になっていると思います。
lete:この曲も歌詞がいいですよね、曲にあっていて。まず、「君みたいな花さ」で百日草のことかと。「君みたいな鳥さ」で鳥が近くに飛んでいたのかな?と。最後に「輝くオレンジの秘密、小さな太陽に向かってはばたいた」で、鳥が羽ばたいたともとれるし、それとも花が散って命が太陽に帰っていったのかな、ともとれるし、深いなと思いました。言葉が象徴的に書いてあるから、イメージを喚起しやすい詞になってますね。
Pocopen:心を慰めてくれる美しいものを秘密と書いたのだけど、説明が凄く足りなかったのかもしれません。
lete:星を悲しく飾る君は、のあたりでは、空に星があるように、地面には一面に咲くジリアがある、というのをイメージしました。とても素敵な歌詞だと思います。
 
 
ー9. Armonico / 手間取ったループ
 
lete:九曲目の「Armonico」ですが
西脇:むはは(小声で)
Pocopen:これかぁ‥
lete:あれ?どうしたんですか?
西脇:これは録音した後に作ったという‥。録音は一応したのですが、演奏が上手にできなくて楠さんと僕ら二人で同じ部屋で録音したのですが、昼から散々録音した後、真夜中に録ったセッションだったので、使えないくらいヨレヨレの演奏になってしまって‥。でもその後、楠さんと一緒に演奏する機会を設けることが難しかったので、録った物を何とかしようとなって。それで機械で切り刻んで編集して、使えそうな所だけ取り出して繰り返したり。そうやって再構成したものに、新たに歌と歌詞を乗せた感じですね。
Pocopen:原曲とはほど遠くなったけど、メロディが無い曲が一曲くらいあっても面白いと思いました。
西脇:元々メロディーがあったこの曲はレテで何度もやっているんですよ。
Pocopen:可愛いメロディだったんですよね。
lete:それを変えると言うのは、アルバムに収録される内の一曲という事で変えるのですか?
西脇:それは違うね‥。
Pocopen:一ヵ所変えたら全体のバランスが崩れたので、変えたんです。
lete:ベースが大野さん、ドラムが楠さん、が参加されていますが、これは
Pocopen:まず楠さんと3人でやったものを、西脇くんが言ったように編集で再構成して一曲にしました。その音源を大野さんに送ってベースを弾いてもらいました。
lete:大野さんには何か伝えたのですか?
西脇:うん、簡単な説明ですけど、音数少ない感じがいいです、と。
lete:シンプルですね。
西脇:戻ってきたら、本当にシンプルでした。
lete:編集の作業は西脇さんですよね?
西脇:うん、大変でしたね。一晩中やっている感じでした。切り刻んで同じ物をループするのは並べていくだけなんだけど、別の展開に行く時、そこまでループしたやつにうまく繋がらない時があるんです。テンポガイドを聴かないで演奏しているからテンポが揺れていて、繋げてみると急に遅くなったりして。なので、その間に違う場所から持ってきたのを挟んでみたり。不自然にならないように並べるのにちょっと苦労しましたね。あまりカッチリしていてもヘンだし、適度に力の抜けた感じで、自然に聴こえるといいなと思いながら作業しました。
Pocopen:たとえ人に非音楽的な作業と思われたとしても、楠さんのドラムをどうしても使いたいという気持ちがそうさせたので、それを念頭に置いて最善を尽くしたんです。
西脇:もちろん。
lete:ラップの時の歌詞は、語尾や韻などで変えられたりするのですか?
Pocopen:多少考えました。かなり脱力系です、詞はかなり真面目です。
lete:とてもポコペンさんらしいラップだと思います。
 
 
ー10. やさしい紫の空 /
分厚いのは普通かもしれない
 
lete:十曲目の「やさしい紫の空」ですが、
Pocopen:これもほとんどスムーズでしたね。
西脇:さっきの「Comely Feet」もそうだけど、軽快な曲の方が歌入れは早いよね。
lete:コーラスはご自分で重ねて入れられているんですよね?
Pocopen:他にも「夕暮れ時」とか「Comely Feet」も自分で重ねているんですけど、この曲に関してだけ言うと、「いま いま」だけ人に頼んでやってもらうっていうのも何か‥申し訳ないですからね。
lete:なるほど、そうでしたか。「いま」だけでよかったのですね。
Pocopen:分厚くしようと思えばどの曲ももっと出来たんだけど、あまりそうする気がなかったというか。
lete:分厚くしようと思えばできるのに、敢えてしないというのは、何故なのですか?
Pocopen: 昔からさかなは、一時期を除いてですが、薄さが売りなんですね。
西脇:ははは
lete:元々ポコペンさんがお好きな、T.RexやDavid Bowieは、重厚感があるじゃないですか?
Pocopen:多分さかなに出会うまでは、そういう分厚いのが好きだったんです。Queenも好だったし。さかなに入れてもらって、こんな薄い音楽があるんだって衝撃を受けて(笑)薄い良さも知りました。分厚くするのは普通かもしれないから、間抜けな位がいいかもしれないとなって。
lete:西脇さんは重厚感のある音は、あまりお好きではないのですか?
西脇:今はそんな事ないですよ。若い時はあまり好きではなかったですね。T.Rexは普通に好きだったけど、Queenは積極的に聴いた事はなかったかな。いや、今は好きだよ。すごいカッコいいと思うよ。でも若い時はちょっと駄目だったね。
 
 
 
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