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sakana interview
       sakana  Campolano  発売記念インタビュー
 
ー11. 惑星−2 /
コクを出した歌い方をしたくない
 
lete:十一曲目の「惑星−2」ですが、これは「惑星」のアレンジと歌詞を変えて、2になったということですか?
西脇:うん、一応そういう事だよね。元曲から大幅に変わっていますけど、曲の基本的なイメージは繋がっているんだよね。
lete:どんなイメージですか?
西脇:茫洋と広がる様な。
lete:この曲の歌い方は、中性的で、少年少女合唱団や聖歌隊みたいに、情念とか感情をいれずに、まっすぐ出しているような印象を受けたのですが、意識はされたのですか?
Pocopen:あまり感情を入れないクールな歌い方が、自然に合っているような気がしました。
西脇:録ってる時からそう言ってたもんね。言い方は少し違うかもしれないけど、あまりコクを出した歌い方をしたくないみたいなことを、
Pocopen:割と淡々と歌いたいというのがありましたね。
西脇:ミックスもそういう感じにして欲しいって言ってたね。
Pocopen:静かな歌なんだけどお腹に力をいれないとこの音程を保てなくて、自分には難しかったのですね。
 
 
ー12. 雨音 / ライヴで歌っているのが自然
 
lete:アルバム最後の曲、十二曲目の「雨音」ですが、これはベース大野さん、ドラム楠さん、コーラスに中村まりさん、
Pocopen:演奏は割とすんなり、ざっくりいきました。
西脇:でも歌の割り振りが大変だったのと、メインボーカルを録るのがかなり大変でしたね。
この曲は歌がすごく難しいよ。メロディーの上下が激しくてサビは大変だし、かなり頑張ったと思う。
Pocopen:それもあるし、寂しさと明るさが微妙に混ざり合った表情を出したかったんです。lete:確かにサビのキーは高いですね。
Pocopen:いざ録音で歌おうとなると緊張するのか喉がしまって声が出ないんです。なぜ?いつも歌ってるのに?と思うんですけど。初心者でもないのにガチガチになっている私を、guzuriの笹倉さんは、リラックスさせようといろいろな提案をして下さり、本当に優しく辛抱強く接して下さいました。
lete:レコーディングが本当に苦手なのですね。ライヴでお客さんがいる時の方がリラックスするのですか?
Pocopen:やはりライヴで歌う方が自然ですが、録音の場合はその場に誰もいない方が、世界に入り込めました。だから結局sakana studioで一人で歌い直しましたが、それは自分が未熟なせいで、笹倉さんには申し訳なかったと思っています。この曲は中村まりさんが母のように、美しく優しく落ち着いた歌声を重ねて下さいました。これからまりさんをおふくろって呼ぼうかな?アイデアを出し合ったあの時間、宝のような想い出です。分厚くするのもありだったかもしれません。淋しげなスカスカコーラスは、決して派手じゃないけど、素敵だと思います。lete:アレンジは西脇さんがやられたのですか?
西脇:コーラスのアレンジはポコペンさんと中村さんが考えました。演奏は皆で考えましたね。
 
 
 
ーファンの方からいただいたコメントー
 
lete:次にファンの皆さんからいただいたアンケートの中からちょっと紹介しますね。
Pocopen:本当にありがたいですね。
lete:好きな曲とそれに伴うエピソードを、ということでいただいたのですが。「好きな曲が、ともしび・その気になれば・dear my friend とあげていだだいて、いただいたコメントが sunday cloths に入っている歌の主人公達のように、毎日を生活できたらと憧れでした。昨年結婚して小さな灯火のある生活を始められて本当によかったです。dear my friend は、友人の結婚式のささやかな集まりで歌いました。そして嫁さんに遇うきっかけにもなった歌です。」
Pocopen:えっ〜!(とても感動して)そんな人もいるんですね。
西脇:へぇ〜。(感慨深そうに)
lete:「もう一方、Campolanoはとても良いアルバムで何度も聴いているのですが、何故か夕暮れ時の再生回数が一番多いです。通しで聴いていたはずなのに。いつも心配ないのさ、目が覚めても。って歌詞に勝手に勇気をもらっています。」
Pocopen:あらぁ〜。(ありがたそうな顔で)
lete:質問もいただいているので、その中から一つ、「sakanaのジャケットは西脇さんの手による物がほとんどですが、他の画家の絵から曲が浮かぶ事はありますか?もしあったら誰の絵か教えてください。」
西脇:そうだな〜、それは多分無いです。自分の絵も含めて、絵を見て曲を思いつく事は無いですね。映画とかならあるかもしれないけど。
lete:何の映画ですか?差し障りなければ(笑)
西脇:よく覚えているのは、まだ25、6歳頃の事ですけど、「田舎の日曜日」という映画を観て、それを観た直後に「レインコート」という曲を創ったんです。
lete:そうでしたか、その「レインコート」についてもコメントいただいてまして、「某漫画のイメージビデオで使われていました。」
Pocopen:え、漫画?
西脇:そうでしたね。楠本さんの。
lete:「(続き)この曲を聴いてなんじゃこれはと。あれから20年今も大好きです。」
Pocopen:ふふ。凄い人だ〜。
lete:あと最後にもう一つ、「アーティストさんは自分の作品について、何度も繰り返し聴く人と、リリースした後は聴き手に委ねるもので自分は聴かないという人に分れるようですけど、お二人はどうですか?」
西脇:自分達のアルバムをですか?どうかな。僕は多分出した後はそんなに聴かないほうだと思う。ただライヴで演奏する際に、忘れたところを確認する為に聴くというのはあります。とにかく出来上がるまでの間、散々繰り返し聞くので、暫くはいいやという感じです。何年振りかで思い出したように聴くと面白かったりとか、そういうことはありますけど。
lete:これ自分でやったっけ?などと記憶になかったことはありますか?
西脇:こんなんだったんだ〜、というのはありますね。
Pocopen:「Campolano」は聴いています。これでよかったのかと色々確かめたくて。他のはちょっと時間が経たないと聴けないかな。
西脇:めずらしいよね、今回のアルバムは聴いてるよね。
 
 
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