sakana  Campolano  発売記念インタビュー
 
ーsakanaの出発点 /
 二人が出逢ったからこそ続けられた ー
 
lete:そうでしたか。夢の実現が(笑)。西脇さんはその後は、そのままというか、その流れで音楽を続けたのですか?
西脇:うん〜、まぁそうなのかな?僕が高校生の時にギターを弾けるような部活は無くて、でも音楽はやりたいから仕方なくブラスバンド部に入ったんですよ。そしてそのブラスバンド部で、太鼓を担当していたのが、sakanaをその後、一緒に始めたドラマーなんです。だから部活に入ったおかげて、そいつと出会ったというか。
lete:そうなんですか。sakanaのルーツはブラスバンド部だったんですね。
西脇:ははは、そうですね。そういう出会いとかがあったから続いんですかね。
lete:ドラムの彼と出会ってバンドを始めて、ポコペンさんと出逢ってsakanaに加わって、そのまま今も、ずっと続けてきているのですよね。それは凄いことだと思うのですが、西脇さんは何をモチベーションに続けられたのですか?
西脇:何だろうね(笑)どうなんだろう?
lete:とても大変なことだと思うのですが、
西脇:でも、皆やってるじゃないですか。それと同じだと思うんですけどね。
lete:ソロや他のアーティストとセッションをやられたりはしていますけど、学生時代の部活での出会いから始まったsakanaをずっと続けていている訳ですから。西脇さんはあまり意識はしていないのかもしれませんが、ずっと続けるということは実は相当エネルギーが必要な筈だと‥
西脇:多分傍から見てると不思議だろうなとは思うんです。なんでそんなずっとやってるんだろう?って。でもそれを説明しようとすると、27年分振り返って話さなきゃならないから無理です。だから好きで始めた事だし、今も変わらず好きだからとか、ポコペンさんに出逢ったたからとか、ポコペンさんと一緒に作ってきたsakanaの音楽を聴いてくれる人がいるから、とかシンプルに答えるしかないんです。無論それはウソではないし、むしろその方が良いこと言ってる風でもあるんだけど、でも自分としてはそれだけってほど単純な訳でもないから、そう答えた後はなんとなく居心地が悪いんですけどね。
lete:う〜ん、そうなんですか。ポコペンさんに出逢わなかったら何になっていたんでしょうね?
西脇:わからない。どうだろう?絵は描いていたのかな。想像がつかない。
lete:ポコペンさんはどうですか?もし西脇さんと出逢わなかったら、
西脇:全然普通に、何も今と変わってなかったりして。
(一同笑)
Pocopen:しっくりくる仲間に出逢えなかった気はしますが、何かしらの形で細々と活動していたのかな。
 
 
ーヨットと貯金ー
 
lete:次にアホな質問をしたいと思いますが、一億円手に入ったとしたらどうしますか?
Pocopen:バイト辞めちゃうかな。
西脇:小さいね〜
lete:一億円ですよ(笑)
Pocopen:ヨット買って。
一同:そっち?
西脇:貯金しないか?
lete:えっ、それはまた(笑)
西脇:利子で食えないですか? だって預けておいて利子で食えたら‥
(一同笑)
lete:食えると思いますけど、堅実すぎですっ‥(笑)。マンション買ってマンションオーナーの方がまだ‥(笑)そしてヨットですか‥
Pocopen:キャンピングカーも欲しいかな。でもヨットやキャンピングカーを持ってる人はお屋敷も持ってないといけないよね。一億じゃ足りなくなっちゃう。
西脇:乗り物好きだよね。
lete:下北とか渋谷じゃなければ買えるんじゃないですか(笑)
西脇:近所の建て売り住宅だったら、2600万くらいで売ってたよ。凄くちっちゃい家ですけど。
Pocopen:いやだねぇ、ヨットとかキャンピングカーとか金持ちの象徴みたいで。本当はもっと建設的な事に使った方がいいんじゃないかな〜。でも仕事しないで生きられたらいいですね(笑)
西脇:じゃぁ、やっぱり利子だね。
(一同笑)
Pocopen:ケチケチと、それだ(笑)
西脇:それがいいよね、元が減らないし。
lete:旅行は行きたくないんですか?
西脇:う〜ん、キューバは一行ってみたいけど、それは別に一億もいらないしね。
lete:‥‥そうするとやっぱりヨットと、
西脇:ま、じゃぁ結論はヨットと貯金ですかね。
Pocopen:東京ドームを貸し切って、一夜限りのsakanaライヴとか。
lete:音響機材を入れたらまたお金が掛かるから、生音で(笑)
西脇:あまりにも刹那的だよね(笑)
町野:宣伝になりますね、ドームでレコ発とか。ニュースになるし。
lete:あ、ある意味ではね‥
西脇:ドームをもの凄く小さく使う訳ですよね、
町野:皆、内野で体育座りをして
lete:‥椅子もないの?(呆れて)それは辛いでしょ!
 
ー造語「Campolano」に込められた想いー
 
lete:真面目な話に戻りますね(笑)、最後の質問になりますが、タイトルの「Campolano」は造語だそうですが、言葉に込められた意味や願いがあったら教えていただけますか?
Pocopen:まず、カンポラーノのポラーノという部分は、宮沢賢治さんの短編「ポラーノの広場」からお借りしました。ひっそりと夜の野原のどこかにあって、素敵な音楽が流れていて、とても楽しいところで、行った人は生きる力がもらえて爽やかになる、伝説の「ポラーノ」という広場をめぐったお話です。ある日若者達が探し当てるのですが、実はそれはずる賢い大人が造った偽のポラーノの広場で、そこへ行ったがために若者たちは散々な目に遭いました。やがて若者達は、自力で本物のポラーノの広場をつくろう!というお話です。その話を読んだ時に、とても嬉しくなりました。このアルバムも次の日の元気が出るような、とても爽やかな場所にいるような音楽になればいいなと思いました。カンポというのは、スペイン語やイタリア語で野原という意味で、ポラーノの広場は野原にあると言われているし、カンポとポラーノを合体させてカンポラーノにしたら、リズミカルになって可愛いかなと軽い気持ちで考えました。
lete:ぴったり合いましたね!造語だとは思わなかったです。
Pocopen:そうですか。
lete:でもこの造語のお蔭で「Campolano」と検索すると、sakanaのアルバムしかでてこない(笑)。これは素晴らしい!言葉としても広まると思いますよ。使いたくなるような意味も含まれてていて、とってもいい造語を創られたと思います。では、インタビューが長くなりましたが、最後にファンの方にメッセージがあればお願いします。
Pocopen:「Campolano」をとても大切に、丁寧に聴いて下さっている方がたくさんいると知って、胸が一杯です。実際にsakana recordsに手紙をくださった方もいらして、自分が思っている以上に、このアルバムを愛してくれている人がいるんだなと感じて、どれだけ励まされているか言葉で表せられません。本当にありがとうございます。これからまた地道にやっていって、また良い曲を創っていきたいなと思っています。よろしくお願いします。あと、この場をお借りして、ゲストの楠均さんと大野由美子さんと中村まりさんのご協力に、改めて感謝の気持ちを贈ります。そして、結局guzuriで録っていただいた曲を使ったのは2曲でしたが、笹倉慎介さんにも本当に感謝しています。のどかで静かな環境や、信じられないほど美味しいカレー。いい想い出です。
西脇:僕も同じです。これからもよろしくお願いします。頑張ります。
lete:頑張って下さい。また近いうちに次のアルバムが聴けるように、あまり間があかない内に(笑)楽しみにしています。
 
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